鯨類の種類と生態

種等の細かい分類分けはリンクページの鯨類から調べられます。

分類
 地球の大部分を占める海洋に、私たちと同じぐらいか、またはそれ以上の知識や頭脳を持った生物が生息しています。
 そして、大昔から、また、これからも私たち人間の親友であるイルカたち。
最近はようやくブームが落ち着いてきたような感もありますが、いつまでも私たちのアイドルであり、親友であり続けることは間違いないことでしょう。
 ”イルカ”と”クジラ”ってどう違うのか以外と知られていませんよね。
基本的には大きさの違いで分けられているだけなのです。
大人になって4〜4.5mを越えるものをクジラと呼んでいて、それ以下の大きさのものをイルカとよんでいるだけで、まったく同じ鯨類の動物なのです。
 
 鯨類をもっと別の方法で区分すると、”歯クジラ”と”ヒゲクジラ”、”ポーパス類”と”ドルフィン類”、”海洋に生息するイルカ類”と”大河などの淡水域に生息するイルカ類”というような分けかたができるでしょう。
歯クジラは主に小型のクジラの仲間に多く、機敏に泳ぎ回り、主に小魚を口(歯)で捕まえて飲み込むタイプのもの。(ほとんど丸飲みで、噛み砕くことはないようです)
対して、ヒゲクジラは歯が退化し、そのかわりに歯茎が進化して櫛(細かい網)のようになったものを言います。
ヒゲクジラは、主にオキアミ等のプランクトンの仲間や、小魚(イワシやニシン等)を海水ごといっきに口の中にとり込み、口の中の海水だけを舌で外に押し出して、櫛状のヒゲの内側に残った魚やプランクトンを飲み込むという補食の仕方をしていて、比較的体が大きいクジラの仲間がほとんどです。
大きなクジラは体が大きいので沢山の食事を摂らなければならないし(食物連鎖の下方にいる生物の方が数が多い)、機敏な魚を追うことが出来ないので、そのような方法を採るようになったのでしょうね。

 また、ポーパスというのは頭が丸っこい(口が突出していない)種類。
ドルフィン(ボトルノーズ)と呼ばれているのは口が前に飛び出している種類のこと。
よく口(鼻)が飛び出しているのがイルカで丸っこい頭のものがクジラと思われていますが、そうではないのですね。
 地球上の各地にあるアマゾン川やガンジス川などの大河に棲むイルカたちの多くは淡水や汽水域(海水と淡水が入り混じるところ)に生息し、そのすべてが歯をもつイルカの仲間で、主に小魚を補食しています。
彼らは、かなり透明度の悪い場所に生息していることが多く、歯が並んだ口が突出していて、ほとんど眼は退化し、光を感じられるぐらいしかその機能を果たしていないようです。
 そのかわりに、ある種のクジラ・イルカたちがそうであるように超音波を使ったエコロケーション(音響定位)システムがかなり発達していて、それにより得られた情報を使って、視覚と同様に周囲の環境を知ることができます。暗闇を飛ぶコウモリなんかもそうですよね。
その音(主に超音波)は私たち人間のように声帯でつくられ口から発せられるのではなく、彼らの場合は、気道でつくられ、それを脳の前にあるメロン(脳油器官)でレンズのように収束または拡散し、周囲の物にあたってはね返ってきた音を下アゴの骨の先で受け取っています。
そして、下アゴの骨と筋肉層で増幅され、耳石に伝えているようです。その情報を脳の中で眼で見た映像のように処理し、周囲の地形や他の生き物を判断しているのだといわれています。
 
彼らの体の構造を見ると、私たちのように鼻と口がつながっているという部分がなく、まったく別の器官として働いているようです。
口は胃につながっていて、その間は食道。頭頂部にある鼻は肺につながりその間は気管となっています。
水族館のショーなどで彼らが声(音)を出してるのをよく見ていると、鼻腔から出ているのが解るでしょう。

水中での場合はどうでしょうか。私が観察したところによると、ジジジッという音やキューッという音が彼らから聞こえているときでも、彼らの口や鼻腔はやはりまったく動いていませんでした。
私たちも、口と鼻を閉じても気道や声帯を震わせることで、彼らと同じようにして音を出せますよね。
 
彼らの能力と精神
 鯨類を理解する上で、次に彼らの頭の良さを考えてみましょう。
彼らは、人間と同じぐらいか、またはそれ以上の大きさの脳を持っています。
動物の頭の良さは脳の体積よりも表面積に比例すると言われていますが、もちろん彼らのその脳にはシワが多く、表面積についても人間と同様かそれ以上あるのだそうです。
その頭脳の良さを、彼らは生きるため本当に必要であろうと考えられる事にそのほとんどを使っています。
もちろん生きる上で必要なことに対して、効率の良さを追求するという目的で 使われる事もあるでしょう。
しかし、現在の私たちのように、楽をするためとか、便利になるように頭脳を使ってはいないといえるでしょう。
また、機械を使うこともなく、魚を養殖したり、それを保存するための冷蔵庫なども持っていません。
人間も大昔は持っていて、今はほとんど使われていないために無くなってしまっていると思われる能力もフルに使いこなせていることでしょう。
 
 しかし、「それなのになぜ?」と言う疑問が彼らに対していくつも出てきます。
主な事柄を考えてみますと、まず1つは、「人間に攻撃をされても、なぜ反撃をしないのか?」ということ。
 2つめは、「飼育されている(捕まえられている)所から逃げようとしない」。
彼らが閉じこめられている場所は、水面下だけを網等により仕切られているような場所がほとんどです。
水族館のショー等でもよく見かけらるように、彼らは空中にジャンプすることが出来ます。
水面下を仕切られていても、空中にジャンプをすれば簡単に逃げられるというような状態で飼育されているにも関わらず、「彼らはそれを越えて逃げようとはしない」のです。
また、長い間、網などで隔離されていた場合、ほとんどのクジラ類はその網を外しても、今まで隔離されていたその場所からなかなか外に出ていこうとしないのです。
以上の2つについては、こういう推論もたてられます。
彼らは「人間を裏切ろうとはしない」ということ。場合によっては、彼ら自信が死ぬことになっても、人間を裏切ろうとはしないようです。


 人間以外の生きものの頭の良さを分かりやすく表現するために、よく”この動物は人間に例えると○○歳ぐらいの知能”と表現されています。
そんな時、では”人間はその動物の知能で例えると何歳ぐらいなのだろう?”とも考えてしまいます。
本来、自然(地球)の中で生きていく上で必要なこと。そのことについて皆さんも一緒に考えましょう。


※参考資料(図) 同朋社”GEO” 1998年 5月号

イルカ&クジラ救援プロジェクト