イルカ&クジラ救援プロジェクト

海の危険(生物)から身を守るために


日本のサンゴ礁域において被害にあう可能性が比較的高く、危険な生物を掲載しています。
○海に入るときに危険生物に対する正しい知識を持つことにより被害にあう可能性がかなり少なくなります。
 
毒を持つ生物は、自己防衛と捕食のために毒を持っています。生物をむやみに触って刺激しないことが大事です。
○また、ほとんどのサンゴは毒を持つ触手を持っていて、触れるか、それに近いほど接近すると刺されることがあります。
 特に皮膚の柔らかい部分では触れないように気を付けましょう。
○歩く時は、サンゴ礁域では足首まで覆い、底の厚い靴(フェルト底が最良)を履き、ゆっくり歩きましょう。
 (貝やオコゼのトゲはビーチサンダルやマリンブーツを突き抜け、露出する足の側面も危険です)
 環境のためにもサンゴ礁域ではできるだけ歩かないほうがいいでしょう。
○浅いサンゴ礁域では、出来るだけアオリ足でフィンキックしましょう。(サンゴや岩等にヒザやフィンをぶつけないように注意)
 サンゴに触れた場合、刺胞毒が注入され、しばらくすると腫れてきます。流水で傷口をよく洗ってから、ポイズンリムーバーや
 口で毒を吸い出すと効果的です。(顔等で使用するとキスマーク状の跡形が残ります)
 ※ポイズンリムーバー:注射器の反対の仕組みで患部から毒などを吸い出す機器
 

○主に、夏にはハブクラゲ、冬にはカツオノエボシが海浜に出没します。射された場合、酢をかけるのはハブクラゲだけ。
 体についた触手をお箸や指先などでゆっくりとはがしましょう。
 
何よりも大切なのは、私たちがが彼らの生息域に入ってるという気持ちを忘れないこと。そして無理をしないこと。
 危険生物を見掛けたり、足がつったり、波や流れに流されても決してパニックにならないことが一番大事です。
 シュノーケル中の溺死の原因は、ほとんどが道具の不慣れによるパニックか、急や無理な運動による心臓麻痺
 
です。
 体調の優れない時や、気分が乗らない時は絶対に無理をしないこと。
 無理をして遊んでも楽しくないですよ。
 
特に、早朝、夕方および夜間は、浅いところでも危険な生物が多く活動するので気をつけましょう。
また、海水には細菌類なども多いので、海でケガをした場合はすぐに海から上がり、流水や消毒液で傷を洗うことを心掛けましょう。
 
○アレルギー体質の方や心臓疾患のある方は、これらの対処法以上の注意と療法が必要です。
 
○また、潮の干満時に岸から沖に向かって流れる離岸流の危険性とともに
 サンゴ礁礁縁部(リーフエッジ)ではサンゴ礁の切れ込み(写真右)、またその
 周辺は大変危険。
 波が引く時、ミゾの深い切れ込みに一気に潮が流れ込みます。
 シケている時は、足下が見えにくく、このようなミゾにはまりこんだり、溝の
 周辺のサンゴはとくに崩れやすく、潮流とともに一気に引き込まれることが
 あります。
 サンゴ礁礁縁部にはこのようなミゾが無数にあります。もし、潮が引く時に
 この中に引き込まれた場合、まず生還することは不可能です。
 その場所を良く知っている人でも、夜間や潮が満ちている時、波のある時に
 礁縁部を歩いたり泳ぐのは特に危険です。
掲載する海洋危険生物
アンボイナ 貝 ハブクラゲ ヒョウモンダコ (オニダルマ)オコゼ アカエイ,マダラエイ
オニヒトデ,ウニ ゴンズイ,アイゴ,ハギ サメ ウミヘビ ウツボ
オニカマス(バラクーダ) ダツ.サヨリ ミノカサゴ アナサンゴモドキ イソギンチャク類
カツオノエボシ カヤ類      ※備考

アンボイナガイ イモ貝
イモガイ(巻貝)の仲間、約12cmの大きさで砂地に多い。殻に網目模様があり、南西諸島に多く、伊豆諸島や紀伊半島以南の沿岸に分布。主に、夜行性で昼間は砂に潜っていることが多い。多かれ少なかれすべてのイモ貝は毒を持っている。
獲物を捕食するときに、フン部から歯舌歯という毒を充填した銛を出し、獲物につき刺して毒を注入する。
意識不明の重体に陥ることが多く、南西諸島では9名以上が死亡している。
多くは捕獲し、網等に入れ体に触れる状態で持ち歩いていて刺される。
現在、この貝はかなり少なくなったらしいが、海では知らない貝があっても不用意に触らないこと。
 
【症状と処置
最初は痛みを感じない。紫斑が出て熱く感じる。しびれや全身麻痺、呼吸困難。
神経毒を持つ毒貝で、
刺された約30分後、喉の渇き、視界がボケる、真直ぐ歩くことが出来なくなる等の症状。
毒を吸い出すかしぼり出す。圧迫し毒のまわりを止め、安静にする。呼吸や心停止に陥った場合は人工呼吸を続ける。
病院における処置・・・毒矢の残存の確認。抗ヒスタミン剤の塗布。全身管理の必要性あり。

ハブクラゲ
体全体が半透明で32本程の長い触手を持ち,10cmほどの大きさ。
自ら遊泳力があり、熱帯や亜熱帯地域の流れと波の穏やかな遠浅の海岸や港に出現する。
(小魚が多くいるような場所に多く、バチャバチャ波しぶきを上げると寄ってくるので注意!)

出現場所がだいたい決まっていて、沖縄での発生時期は主に6月〜8月で、年により出現量が変化。
波打ち際5m以内
に数匹いることが多い。私も足首ぐらいの深さの波打ち際を歩いていて刺されたこと、ルアーの針に引っ掛かってきたことがあります。
触手に毒が入った刺胞を持ち、触手が何かに触れると刺胞から針が発射されて、そこから溶血性の致死毒が注入される。
予防策として、地元の人に出没場所を聞く。裸では泳がない。
特に、子供がいる場合はクラゲ侵入防止ネットが設置してある海水浴場で遊泳する。
 
【症状と処置
刺されると、ムチ打たれたような強烈な痛みが走り、ミミズ腫れや水疱ができる。

万一刺された場合は、すぐに海からあがり、毒の広がりを防ぐため患部を絶対に砂や水、手でこすらない。
刺胞の発射を防ぐには患部に酢を3分以上かけてから、手や割り箸等で触手を取り除き、氷水で冷やしながら病院で手当てを受ける。
意識、呼吸がない場合や心停止に陥った場合は心肺蘇生をする。
※病院における処置・・・
傷口の症状がひどい場合はステロイド軟膏、抗生剤含有軟膏を塗り、ガーゼで覆う。

ヒョウモンダコ
全長約12cmの小さなタコで、体と脚全体にヒョウ柄の模様があり、危険を感じると体色が青色になる。動きまわっている小さなタコを見つけても触らないこと。他のタコも捕獲した場合、毒を持たないが噛む可能性がある。(化膿するので注意が必要)
タコを捕獲しても、網に入れて腰からぶら下げたりしないこと。
ヒョウモンダコは沖縄には少なく、奄美周辺に多いようです。
 
【症状と処置
毒は足付け根の口から分泌され、噛まれると運動失調や全身麻痺・呼吸困難で死亡するケースもある。咬傷による傷や痛みは小さい。次第に患部周辺が麻痺。しびれや全身麻痺、呼吸困難。
フグと同じ神経毒のテドロドキシン(猛毒)を持つため、毒は必ず手で絞り出すようにする。消化器官から毒が体内に吸収される危険性がある圧迫し毒のまわりを止め(止血)、安静にする。
意識、呼吸がない場合や心停止に陥った場合は心肺蘇生をする。
※病院における処置・・・必要なら局所麻酔。呼吸、全身管理の必要性あり。抗生剤、破傷風トキソイドの投与など。

オニダルマオコゼ (オコゼ・カサゴ類)
被害の多くはサンゴ礁域の浅瀬。
全長約40cm、色や形が岩や海藻などと似ているので、なかなか見分けがつかない。

背鰭に毒を持つ鋭い棘を持ち
人が近づいたり、触ってもほとんど逃げることがなく、多くは浅い海を歩いていて足の裏を刺されることが多い。生息域では、必ず運動靴やマリンブーツを履き、サンゴ礁や岩場を歩く時は十分足元に注意すること。靴底の薄いものでは針が突き抜けるので出来るだけ厚底のものか、中敷きを用いるのが望ましい。
 【症状と処置
初期の強烈な痛みと周期的な激痛。刺された後、しばらくして強い痛みと患部周囲が大きく腫れる。
患部は腫れ、紫色に変色。嘔吐、めまい、頭痛、呼吸困難を伴うしびれや関節痛、四肢麻痺、意識障害がおきる。
傷口を流水で洗う(粘液をとる)。毒を吸い出す。熱めのお湯にタオルを浸し患部にあてる(熱めのお湯に30〜60分つける)。
※病院における処置・・・必要なら局所麻酔。棘の残存の確認。呼吸、全身管理の必要性あり。抗生剤、破傷風トキソイドの投与。


アカエイ・マダラエイ・ヤッコエイ (エイ類)
普段は水深のある砂地に隠れ、接近すると逃げるため刺される可能性は少ない。
尾の付け根に毒を持つトゲがあり、多くは釣り上げたとき等の捕獲時に刺される。
オニイトマキエイ、イトマキエイは持たない

 【症状と処置
刺されるとしばらくして患部の激痛、壊死。頭痛、めまい、吐き気、気分不快、四肢麻痺。
傷口を流水で洗う。圧迫止血。熱めのお湯にタオルを浸し患部にあてる(火傷しないように熱めのお湯にしばらくつける)。

オニヒトデ(&ウニ類)
主に夜行性で、大量発生時以外の昼間はサンゴや岩の陰に隠れている。
大発生時以外は、サンゴ以外の藻類、魚種なども食べている。
ゴム底のサンダルなどは簡単に突き抜け、刺さった棘はウニと同様に折れやすく抜けにくい。
様々な補食生物由来の毒を備えるものと考えられている。
 【症状と処置
大型の鋭い棘を持ち、刺されるとしばらくして痛みと腫れ、しびれ。主にタンパク、サポニン系の毒。
毒をしぼり出し、熱めのお湯(無い場合は氷水)にタオルを浸し患部にしばらくあてておく。
※病院における処置・・・激痛が続く場合は局所麻酔。レントゲン等による棘の確認、排除。破傷風トキソイドの接種。

ゴンズイアイゴ(ハギ、ニザダイ)
ともに10〜15cmの大きさ。背ビレや胸ビレに毒があり、ほとんどの場合はこれらの魚を釣り上げたときに刺される。
ハギ、ニザダイは尾ビレのつけ根にナイフ状の突起を持つ。背、腹、尻ビレに毒の棘を持つものもある。
釣り上げた知らない魚は素手で触らないこと。
 
【症状と処置
しばらくして、患部に痛みと腫れ。裂傷は粘液による化膿。毒の棘による刺傷は患部の激痛、腫脹、しびれ、麻痺。
患部を流水で洗う。素早く消毒する。毒トゲの場合は毒を絞り出す。熱めのお湯にタオルを浸し患部にしばらくあてる。
※病院における処置・・・抗生剤、破傷風トキソイドの投与。

サメ
日本でサメによる襲撃事件は、1990年から'00年まで 約20例がある。
死因は出血死、もしくはショック死がほとんど。(毒は持たない)
3m以下の小さなサメや、水底をゆっくり泳いでいるサメは、ほとんど人を襲う危険性がない。
人を襲う恐れのある種では主にホオジロザメで全長約6m。
鋭利な数列の歯を持ち、アゴの力が強く、噛む力は3トンにも達する。

人間を襲うサメ類は、普段見掛けることがない人間を餌だと思って襲っているわけではなく、本来の餌であるアザラシなどと勘違いして、襲ってくると考えられる。サーフボードから手足を出すサーファーはアザラシに似ていて襲われる可能性が高い。
サメはウミヘビを襲わないらしいので、海では白黒の横縞シャツやウェットが良いかも...。
サメの聴覚は獲物が出す低周波を、数キロ先から感知することができ、嗅覚もきわめて鋭い。傷口から血が流れ出している場合、サメを誘き寄せる要因となる。
ダイビング等でサメに遭遇した場合、不用意に音をたてると、もがき苦しむ獲物と間違って襲われやすくなるので、サメが遠くに去るまでその場を動かないこと。近くに岩やサンゴなどがある場合、陰に隠れてじっと待ち、サメが離れたことを確認した上で浮上する。
 【症状と処置
最終手段として、攻撃を受けそうになった時には、サメの弱点であるサメの鼻先を狙って攻撃する。

また、ホオジロザメは噛みついた獲物を一度吐き出すことがあるので、襲われても意識がある場合は、次の攻撃を受けないようにすぐにその場を離れる。

ウミヘビ
陸にいるハブの約20倍の神経毒を持ち、噛まれると約1-2時間までに手足がしびれ、呼吸困難におちいる。
沖縄には8種が生息。以外と知られていないが、よほどのことがない限り攻撃はしない。好奇心は旺盛だが臆病。
過去の咬傷による死亡例は沖縄で子供1人が指を噛まれて死亡。
口が小さく、口の奥に毒の牙を持つ為、指などの細い部分でない限り噛まれても毒が注入されにくい。
こちらから何もしない限り攻撃してくることはないので、見掛けても騒いだり捕まえたりしないこと。

 【症状と処置
神経毒による呼吸困難、呼吸停止。
噛まれた場合は、患部の上部をすぐに止血し、咬傷部を切開し毒を吸い出す。吸いだした人はアルコール、お茶、水で口を濯ぎうがいをする。患部の痛み、傷は小さい。意識、呼吸がない場合や心停止に陥った場合は心肺蘇生をする。
※病院における処置・・・血中にミオグロビンの遊出、腎不全に対する処置、全身管理。早急に抗毒素血清の投与など。

ウツボ
性格は臆病で攻撃性は少ない。住んでいる岩穴などに手をいれた場合に咬まれることがある。鋭い歯による裂傷、出血。患部の痛み。患部の化膿。(毒は持たないはず)
生息している場所に近づくときはゆっくりと近づく。生息していそうな場所(サンゴの陰や小さな岩の穴)で不用意にあちこち触らない。
 【症状と処置
鋭い歯による裂傷、出血。患部の痛み。患部の化膿。
患部を止血。患部を流水で洗う。
病院における処置・・・止血、裂傷、刺傷処置、抗生剤、破傷風トキソイドの投与。

オニカマス(バラクーダー)
見かけることは稀であるが、潮の流れるところに生息。 突いた魚や釣った魚に噛みついてきたり、金属的な光るものに向かって噛みついてくることがある。(毒は持たない)
国によってはサメよりも恐れられている。貴金属を身に付けて海に入らないこと。
 【症状と処置
鋭い歯による裂傷、出血。患部の激痛。ショック、出血死。四肢を食いちぎられる場合もある。
患部の上部をすぐに止血。頭を低くして、安静にする。
※病院における処置・・・局所麻酔。止血、裂傷、刺傷処置。抗生剤、破傷風トキソイドの投与。

ダツサヨリ
夜間の素潜り漁などで、海水面を照らしたライトに驚いたダツやサヨリが突進してきて、鋭くとがったくちばしで刺される場合が多い(毒は持たない)。夏場は身や内蔵とその周囲にカツオ、アジ類と同様、アニサキス(寄生虫)がいることがある。
昼間見掛けても攻撃されることはない。光る物を身につけて海に入らないこと。
 【症状と処置
患部の激痛、麻痺。呼吸困難、出血死。
出血を防ぐため、突き刺さった部分を引き抜かずに、基部で切断。抜けている場合は、すぐに止血。
意識がなく、呼吸停止状態の場合は、心肺蘇生を行う。
病院における処置・・・局所麻酔。くちばし、異物の排除。止血、裂傷、刺傷処置、抗生剤、破傷風トキソイドの投与。

ミノカサゴ
背ビレ、胸ビレに毒。攻撃してくることはごく稀で、捕獲しようとしたときに刺されることが多い。
サンゴ礁域浅瀬や港などにもよく見られる。主に夜行性。
数匹の群れでいるときは、その場所に近づかないこと。
【症状と処置
傷は小さい。強烈な痛み。しびれや全身麻痺、発熱、嘔吐、発汗、頭痛、呼吸困難を伴う。
毒を絞り出す。熱めのお湯にタオルを浸し患部にあてる(熱めのお湯に30〜60分つける)。
※病院における処置・・・必要なら局所麻酔。棘の残存の確認。呼吸、全身管理の必要性あり、抗生剤、破傷風トキソイドの投与。

アナサンゴモドキ(ファイヤーコーラル)
水深約10mまでのサンゴ礁域に多く 生息している。ほとんどのサンゴ類は刺胞毒を持つが、この仲間は特に強い毒を持つ。板状、枝状、被覆状の形態。
手のひらなどの皮膚の硬い部分では毒が注入されにくいが、手首など柔らかい部分は特に注意すること。
予防するには、できる限り肌を露出しないものを着る。近寄らないこと。
 【症状と処置
激痛、腫れ、強いかゆみ。発赤と腫脹、ビラン形成。ヘモグロビン尿症。
こすらずに真水やアルコール、アンモニア水、酢をしばらくかける。
※病院における処置・・・
必要があれば、ステロイド軟膏・コーチゾン軟膏塗布。

ハナブサイソギンチャク ウンバチ,スナイソギンチャク、センジュイシギンチャク
サンゴ礁、岩礁域の砂底に生息し、イソギンチャクは触手に刺胞毒を持つサンゴの仲間で、ほぼすべてのイソギンチャクが
刺胞毒を持っている。
ハナブサイソギンチャクは主に夜間見かけられるが、岩陰の砂場などでは昼間も見かけられる。大きさは約30cmで薄紫の団扇状。触手に刺胞毒を持ち、ハブの2倍のパリトキシンなどの毒をもつ。イソギンチャクの仲間は主に夜行性のものが強い毒を持っている。小さなエビなどが住みついているが、近付きすぎないように注意。
予防は、砂地に棲息する植物のように見えるが、触れないこと。

 【症状と処置
激痛、腫れ、潰瘍、強いかゆみ。吐き気、強いかゆみ。ミミズ腫れや水疱、頭痛などの症状。
こすらずに真水や酢をしばらくかけ続ける。
※病院における処置・・・
鎮痛剤の投与。ステロイド軟膏、コーチゾン軟膏塗布、重症時はステロイドの全身投与、抗生剤や破傷風トキソイドの接種の必要あり。

カツオノエボシ(クラゲ)
初夏から冬に、透明の小さなビニール袋から青いヒモが伸びたような小さなクラゲで、風波に乗って水面に浮かぶのが見られる。
八重山では、特に10〜11月ミーニシ(北風)が吹くと、東シナ海の北に面する浜に多く漂流、漂着。
気胞(袋状)の大きさは2〜10cm、青味がかったゴキブリの卵のような形。触手に刺胞毒を持ち、コイル状の青い触手は最大30m近くにもなる。
ハブクラゲとは違い、自己遊泳力はなく、風と潮流に流される。
沖縄周辺海域でみかけられるものの多くは、気胞(袋状)3〜5cmと小型のものが多く、
ミーニシの吹く頃、強い北風に乗り、点々と浜に流れ着く。
刺された時、ハブクラゲほど激痛はなく、刺された痕が不規則な場合が多い。
しばらく(6〜8時間)経つと腫れ、痛み、かゆみを伴う。
(このページ下部に刺傷後の経過掲載しています)
ハブクラゲのように刺された時に激痛はなく、刺傷が軽いものと勘違いしますが、数時間後に症状があらわれます。
四肢以外を刺された時は要注意!刺傷部近くのリンパ節が腫れる。
アナフィラキシー・ショックにも注意。
 【症状と処置
激痛、線状の紅斑や水疱、頭痛、吐き気、けいれん、呼吸困難、ショック死。
こすらずに、薄めたアルコール、アンモニア水をかけ触手をはがす。
呼吸、心停止では心肺蘇生が必要。
病院における処置・・・血清を投与。ステロイド軟膏塗布、必要があれば鎮痛剤の投与。
 (八重山病院及び沖縄の県立病院では血清が準備されている)

カヤ 類ヒノキ、イラモ類
大きさは10cm前後。小さなものもある。サンゴ礁域の岩に付着。鳥の羽毛状で植物のように見える。
潮流が強めの所に多く、ダイビング時、気がつかないうちに素肌の部分(特に手首やひじ)に触れてしまうことが多い。
患部が小さく症状が軽い場合は、症状はかゆみと腫れだけで、ほっておいても1週間ほどで治る。
予防するには、できる限り肌を露出しないものを着る。岩に触れないこと。
 【症状と処置
痛み、かゆみ。発赤と腫脹。
こすらずに真水や重曹、アルコール、アンモニア水をしばらくかける。
病院における処置・・・必要なら少量のステロイド軟膏・コーチゾン軟膏塗布。

アンドンクラゲ
夏場、主に電灯潜り中などに射されることが多い。
小さな透明な体に4本の収縮する触手を持ち、太陽光を嫌う。
太陽光の強い日中は光の届きにくい深くに沈んでいて、朝夕、夜間、曇りの日に海表面を漂っているのが見掛けられる。
予防するには、できる限り肌を露出しないものを着る。見掛けたら近づかない。
 【症状と処置
激痛、線状の紅斑や水疱、頭痛、吐き気。
病院における処置・・・血清を投与。ステロイド軟膏塗布、必要があれば鎮痛剤の投与。

ガンガゼ イイジマフクロウニ,ラッパウニ、ウニ類
長く鋭い棘を持つウニ。昼間は岩の間やサンゴの下に潜り込んでいるが、夜間動き回って藻類などをを補食する。

バフンウニに似たイイジマフクロウニ、ラッパウニは毒性が強く、死亡例がある。
 【症状と処置

刺された場合、長い間鋭い痛みと腫脹がみられる。傷口は黒っぽくなり、リンパ節がはれる。
棘が残った場合、医療施設で切開して棘を取り出す必要がある。
痛みを和らげるには、50℃ほどの熱めの湯につける。

※病院における処置・・・ステロイド軟膏塗布、必要があれば鎮痛剤の投与。


※処置方法については、経験者が適正な判断のもとで行うこと。薬などの投与は医者の指示に従い、傷の切開などは特に注意!
酢酸やアンモニアは原液ではなく、食酢やアンモニア水溶液などの薄められたものを長時間使用すること(さらに薄めてもよい)。


 = 備 考 =
サンゴ−触手に刺胞細胞を持つ刺胞動物(主に捕食の手段として毒を持つ矢を打ち込む)。仲間として、イソギンチャク、クラゲがいる。
アニサキス−クジラ類や海棲哺乳類を寄生主とし、他に魚類などの海棲動物にも寄生する寄生虫で、主に消化器官及びその周辺に寄生する。白い糸状で大きさは10mm前後。目でも確認できる。主に夏場寄生する魚やイカなどを生で食べるときは注意が必要。人間がこれを生きたままとりこむと胃や腸に激痛、アレルギー症状、最悪の場合は心臓に穴を開けられ死亡する場合がある。

  
食中毒
特に夏場、肝臓に障害のある人は、生で魚を食べないこと(必ず60℃以上5分程度の加熱をする)。
 体内でのコレステロール合成を抑える薬を服用されている場合、副作用として肝機能低下を起こしている可能性もあります。
 肝臓の機能が低下している場合は、ごく少量の毒素で中毒になる可能性があります。
 特に、保存や調理状態が分からないサバや赤身の魚の海洋自然毒(スコンブロイドなど)、プランクトンから毒を蓄えている2枚貝などには特に注意。


カツオノエボシによる刺傷
刺胞毒の場合の多くは、刺された直後は跡がはっきりしません。
10分程で腫脹があらわれ、数時間後に腫れと強い痒みが伴います。
 
3時間経過時(ひざ裏) '03/7/14石垣島
まだ、痛みやかゆみはほとんど感じません。

10時間経過時(腕) '03/10/30石垣島
この後,腫脹と強烈な痒みが数日続きます。
42時間経過(肩)'
04/10/09、16:00頃、胸、首筋と脇の下を広範囲に刺されましたが、夜まで腫脹なし。
翌日、朝から頭痛・目眩・微熱・腫脹・痒みが襲い、2日後までそれらの症状は残った。
処置は、ショックに注意しながら患部を冷やすのみ。
腫脹と痒み、微熱はその後数日残る。


 
カツオノエボシ刺傷後の経過
(約24時間おき)
'05/11
 これまでに5回以上同クラゲに刺傷被害にあっているが、
 治療は、薬剤は一切使わずに、痛みと痒みをこらえて、ひたすら冷やすのみ。
(これまでも同様)
 この部分以外にも、指、手、腕その他数カ所に刺傷あり。
 刺傷部近辺のリンパ節が1〜7日後から数日間腫れあがる。
 刺傷後、12時間から60時間後ぐらいが腫脹と痒みのピーク。その後はゆっくりと回復。
 腫脹や赤班など形が完全に消えるまでには10日以上を要する。
刺傷後 約24時間経過 刺傷後 約48時間経過 刺傷後 約72時間経過 刺傷後 約96時間経過
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=アンボイナ.ハブクラゲ.ヒョウモンダコ.ハナブサイソギンチャクの写真は沖縄県広報ポスターから使用しています=

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