サンゴ礁の環境 (オニヒトデとサンゴ)

◎ 「サンゴやサンゴ礁を守るため」という目的でオニヒトデの駆除、退治が各地で行われています。
  本当にオニヒトデを退治(殺す)というのは正しいことなのでしょうか?

 以前、私もオニヒトデは悪者でサンゴの敵だと思い、捕獲していたことがありました。
そして、多くの人にもそのように説明したことがありました。
しかし、長い間サンゴやサンゴ礁を見続けていると、海のいろいろなことが見えてきました。

普段、サンゴ礁にポツリポツリと見掛けるオニヒトデは、いったいどういった役割を担っているのでしょうか。
その理由を求め続けてサンゴを食べている仲間を観察していた時に、その答えが見えてきました。
普段、サンゴ礁に点在して生息しているオニヒトデは、環境悪化や変化に弱く、そして成長が早い
サンゴを部分的に点々と食べているのが見掛けられます。
しかし、同種で同じようにサンゴを食べているマンジュウヒトデは、通った跡が1本の白い道筋となり、
無秩序にサンゴを食べた跡がクッキリと残っていました。

そして、サンゴ礁の絶妙な自然によるバランスのとりかた。サンゴの強かさ、魚類よりも優れた環境適応力を
見て、オニヒトデによる食害は自然界では必要なものの1つであることを海から教えられました。
それとともに、島々の沿岸域は、私たちが想像する以上に陸からの影響を受けていることも。

さて、まだまだ沢山の疑問が出てきますよね。ではこれから、私なりに説明させていただきます。

その後、まず偏見を捨てて、あなたの目や持っているすべての感覚を使って確かめて下さい。
ほんとうに自然を守るためにはどうしたらいいのか。。。
私たちは、海や自然とのつきあい方をこれからどうするべきなのかを。。。


ここに記載する内容は、私がサンゴやオニヒトデ、海、自然環境から教えられたとこを記載しているものです。
 サンゴやサンゴ礁の減少、オニヒトデの増加等の海洋環境悪化に大きく影響を与えている原因である
 「私たち人間が引き起こしている海洋への環境汚染問題」について考え、今、まず何をすべきなのかを
 一緒に考え、それを提言しているものです。

・オニヒトデやサンゴ礁の生物以外にも、船底塗料・除草剤などの農薬、家庭で使う洗剤や除菌剤などにも目を向けて下さい。

・また、1998年に沖縄のサンゴ礁は80-90%白化現象を起こし、そのほとんどが一旦死んでしまいました。その後、数年で
 そのサンゴが完全に回復したといえる地域と、いまだにまったく回復せず、回復の見込みがない場所の違いを知ること
 一番重要なことだと思いいます。
 その結果から、オニヒトデや白化現象からサンゴを守る方法が見えてくることでしょう。


INDEX 
@ サンゴとサンゴ礁 (Q&A)   最初に基本を知ろう!
A こわーい!偏見を取りさろう   ほんとうの悪者は誰?!
B 実際に見てみよう!        自分で確かめよう!
C 地層を見てみよう いままでは?また、現状は?
D ほんとうのこと            見えてくるでしょ!


◎サンゴとサンゴ礁

Q:サンゴってなに?
サンゴ虫と呼ばれる小さな虫の仲間で、動物です。海水中に溶け込んだ炭酸カルシウム(石灰)を体の周りにくっつけて、家を作っています。
その家から手を伸ばしてプランクトンなどを捕まえて食べています。
サンゴ礁では、たくさん打ち上げられたサンゴの骨格があるので観察してみて下さい。よく見ると穴がいっぱい。その穴の中の1つ1つにサンゴ虫が住んでいます。
クラゲ、イソギンチャクと同じ刺胞動物という動物の仲間で、毒を持つ刺胞細胞を触手に持っています。それを海水中に伸ばし、プランクトンやゴカイなどを補食しています。

※代表的なサンゴについての説明です。

Q:サンゴとサンゴ礁ってどうちがうの?

サンゴは小さな虫、動物の仲間のこと。(上記の説明)
サンゴ礁は、サンゴが生育する場所、地形のこと。
(サンゴの仲間にはサンゴ礁を作らないサンゴもいます。また、深海やサンゴ礁ではない場所に住むサンゴもいます)

Q:サンゴ礁はどのようにしてできるの?
サンゴ礁は、長い年月をかけ、サンゴなどが生育を繰り返し、その積み重なりで成長して、できあがっていきます。
造礁サンゴ、石灰藻類が主に造っています。

Q:サンゴはどのようにして増えてるの?
仲間を広範囲に広げる方法として、サンゴは産卵と呼ばれているように、初夏から夏にかけ、主に精子と卵子の入ったカプセルを海水中に放出する「放精放卵」という方法の増殖方法をとっています。
また、大きくなる方法として、サンゴ(虫)は分裂、または出芽という方法で、自らのコピーをつくり増えていくこともできます。
海水中に放たれた精子と卵子は、海水中で受精し、数日から数週間経ってプラヌラと呼ばれるプランクトン状態のサンゴの赤ちゃんになります。そのプラヌラが海底の岩などに着床し、サンゴとしての成長を始めます。
また、サンゴの折れた枝、割れたサンゴが岩や海底にくっついたり固定され、そこからどんどん成長していくこともできます。


Q:サンゴ礁ってどんなところ?

私たち人間が住む陸でいうと、森のようなところ。
外洋の海が砂漠のようなところなのに対し、サンゴ礁は、たくさんの生物がそこに住み、大きな魚の産卵の場所や保育園みたいなところでもあります。
サンゴは動物ですが、二酸化炭素を吸収し、酸素を放出しています。陽があたらない夜間は少量の二酸化炭素を放出していますが、これも森と同じですね。
(サンゴの体の中に共生する褐虫藻というバクテリアが植物の葉緑素と同じものを持っています)


◎偏見を取り去ろう


ゴキブリって気持ち悪いとか嫌いな人が多いですよね。
 以前、北海道在住の友人がゴキブリを見て、「わぁ!きれいな虫!」って言ったことがありました。
 ゴキブリやダニなんかも地球に住む住人。とても大切な役割を担って生きています。
 なにごとについても、見かけだけで判断してはいけません。
 まるで人間は動物や自然の一員ではない見方をしておられる方もおられるようですが、決してそうではありません。
 この小さな地球に住む生物の一員であり、人間だけでは決して生きていくことは出来ません。

まず偏見を捨て、実際のサンゴ礁の環境を観察してみてください。
 ものごとに偏見を持つことは怖いことです。あなた自身が実際に眼や感覚で確かめて判断して下さい。

この地球に無駄な(不必要な)は存在しません
 自然は私たちが生きるための教科書です。
 すべてに意味があり、それらを学びとらなければなりません。
 もっと学校で教えるべきですよね。

バランスが一番大事なこと
  例えば、体に良いという物、そればかりを摂っていたらどうなるでしょう?
 もちろん、病気になったり、正常ではなくなりますよね。
  以前は、全てにわたり害がなく安全といわれていたフロンガス。
 あまりにも極端に多く使われたがため、大気圏のバランスが崩れることとなり、取り返しがつかなくなりました。
 もし、フロンガスでさえ継続的な少量の使用だったとしたら、現在のような状況にはならなかったでしょう。

 現在、オニヒトデはそのバランスを主に人間の経済活動の影響を受け崩れてしまっていると一般的に考えられています。
 まず経済優先という目先、偏った報告、調査、意見などに惑わされずに考えて下さい。
 ほんとうは、オニヒトデも海のバランスが崩れ、傷んだサンゴやサンゴ礁、それを正すために懸命になっているのです。
 特に最近ではサンゴの病気がようやく話題、問題になってきましたが、その病気を治せるのは、私たち人間でしょうか?
 私たち人間がやらなければならないこと。それは、サンゴや海浜・海洋動植物に悪影響を与えているものを排除しな
 ければならないことなのではないのでしょうか。。
  
自然のシステムを工場の機械に例えてみましょう。
  全ての生物はその工場の機械です。元素や物質などは原材料。
 その材料の質やいろいろな条件により、いつもその機械が正しく動くとは限りません。
 たまには故障もするでしょうし、機械の部品が壊れてしまうこともあります。
 もちろん、そんな時は誰かがその機械を修理して、またもとのように使えるようにします。
  進化や適応という生物の過程も同じで、そのような時にでも正しく動くように発達してきました。
 地球に存在するすべての生物が壊れた機械をなおし、壊れた部品を作り直す仕組みを持っています。
 (地球上に存在する病気や伝染病なども、必ずその地球の中に薬や治療薬がありますが、
 今は、それを見つける前に消してしまいそうな勢いで自然がなくなっている状態といえるでしょう)
 
  また、海を地球の血液として例えることもできます。
 オニヒトデは人間の体で例えるなら、その血液中の中でゆっくりと体中を駆けめぐり、細胞の異常や病原菌などを
 探し回る白血球に例えることができます。
 もし、血液中の異常を1個の白血球が見つけた場合、しばらくするとその部分に一斉に白血球が集まり、その傷や
 異物などの問題となる箇所の修復にかかります。
 
 さらに、山火事や噴火など様々な自然災害に見舞われた世界中の土地も、私たちには想像もつかないほどの
 スピードでもとの姿や、その自然に適応する環境にもどっています。

  また、それぞれの生物は外敵に対し、防御の手段を持つようにも進化・適応してきました。
 原始的な生物であるサンゴも例外ではありません。一部のサンゴは、人間でさえ強烈な痛みを与え、撃退することが
 出来ます。また、サンゴの仲間であるイソギンチャクの一部はオニヒトデを食べ尽くすものもいるようです。

・サンゴとオニヒトデは、人間がこの地球に現れるずっと以前、数万年どころか数百万年も前から地球に
 存在しています。(化石からの推測)
 しかし、サンゴとオニヒトデの関係は、現在に至るまでまったく変わってはいません。
 もし、本当にオニヒトデがサンゴの外敵だったとすると、その関係が変化(進化・適応)していくのが当然でしょう。

台風でひっくり返ったサンゴ、折れたり崩れたサンゴ、見た目にはひどい状態となっていますが、そこにも
 サンゴが発達、生育し続ける必然性が隠されています。
 (下で詳しく説明しています)

  主に、サンゴ礁を形成、発達させるサンゴは数百年、数千年またはそれ以上長生きし、生育していると言われています。
 普通、いくら原始的な生物といえども、そんなに長生きする生物は、この地球上に存在すると聞いたことがありません。
  では、サンゴはどうしているのか?
 環境の悪化、サンゴの白化現象やオニヒトデ等の食害により、すべてが死んだように見せかけて、じつはサンゴの極一部の
 個体が生き残っています。
 白化現象やオニヒトデ食害による被害を受けたキクメイシヤダイオウサンゴなどが、1〜2年という短期間で、あっという
 間に復元しているのを、私も見掛けています。

・サンゴにとって自然はなくてはならないものです。
 もし、台風やオニヒトデがなくなると、どうなるでしょう。サンゴ礁はいつまでも美しいままでいられると思いますか?

・必要だからこそ、”サンゴとオニヒトデ”その関係が変わらないのです。

・自然のバランスをとって(とろうとして)いる生物を殺すことが、正しい行為と言えるでしょうか?!
 (一体、この地球・自然のバランスを崩しているのは、どの生物なのでしょうか?)

・八重山では島の周辺海域に見掛けられた貝や魚、海藻など様々な生物が近年もの凄い勢いで減っていっています。
 目に見える汚染もその原因の1つですが、それ以上に目に見えない汚染。これらの影響力がかなり強くなっている
 ようです。

 農薬(除草剤)、化学肥料、船(主に船底塗料)、家庭や工場、牧場の排水など。

 10数年前までは大自然の原風景が見られた八重山が、目覚ましい発展、進化を遂げ、これまでに自然を犠牲にして
 どんどん都会になったあちこちの摩天楼のようになろうとしているようにも見えます。
 それによって、無くしたものは、ほんとうに価値のなかったものだったのでしょうか。。。
 


◎実際に見てみよう!


・サンゴ礁の環境を考える場合、サンゴだけではなく、そこに生活する動物や植物も含めて考えなければなりま
 せん。

・サンゴも陸の生物同様、他の生物なしには生きていくことが出来ません。

・また、サンゴの外敵(海洋生物)は、ブダイやチョウチョウウオの仲間など魚類数種、数種の貝類と数種のヒトデ
 などがいます。

・サンゴもほかの生物も絶妙なバランスを保ちながらサンゴ礁を発達させています。
 そのバランスが崩れてきているために、オニヒトデが異常発生しているのではないかと考えている方々がおられ
 ますが、もし、そうだとしても、その結果を操作しても、その原因解決には決してなりません。

・オニヒトデは、サンゴの状態を知るために普段からかなり少数ではありますが、点々とサンゴ礁に生息しています。

・サンゴ礁の環境という点からみると、そこに生育するすべてのサンゴや生物がその場所のサンゴ礁には必要な
 のですが、年老いたり、細胞(遺伝子)に傷ついたりしたサンゴは生育も鈍くなり、その周辺サンゴ礁域環境の
 悪化(サンゴ礁発達の阻害)をまねきます。

・オニヒトデはサンゴや石灰藻類に隙間なく埋め尽くされたサンゴ礁に、また新しくプラヌラを送り込むために、そし
 て、サンゴ礁を発達させるために必要なもの
だとも考えられます。
 ミドリイシ類などの成長の早いサンゴ(オニヒトデが好み、環境変化に弱い)は、サンゴ礁の発達から考えると
 その妨げになるともいえます。しかし、それらが死滅、または成長が阻害されることにより、核となり、直接的に
 造礁性の高いサンゴや藻類が発育でき、サンゴ礁の成長を促進する。という考えも成り立ちます。
 
・オニヒトデがサンゴの世代更新の必要な時を知り、何らかの誘因物質を出し、大量発生へと導く ものと考えら
 れます。

・そして、忘れてならないのが、「過去何百年、何千年もの間にも、「約20年おきにオニヒトデ大発生が起きていて、
 その地域の多くのサンゴは死滅するが、しばらくすると、また健全なサンゴ礁に戻っている」ということ。

・近年においても、すでに数回それが繰り返されていて、海洋環境の悪化が起きていない限り、「また健康なサン
 ゴ礁に戻っている」のです。
・また、オニヒトデに限らず、他の生物や、台風、白化現象等が起きた場合も同様のことがいえます。

オニヒトデを退治することで、さらに先を考えた場合、もっと深刻な問題が発生する可能性があります。

・オニヒトデは、自然にそって、その必要のあるサンゴを捕食するよう遺伝子にプログラムされています。

 中途半端な駆除を続けると、その行為が全うできないため、いつまでもオニヒトデの発生が続くことにもなるで
 しょう。

 また、オニヒトデが陸からの何らかの物質で攪乱され、大発生のメカニズムが狂わされているのかも知れません。
 もし、そうだとすると、行わなければならないこと。それは、オニヒトデを殺すことではなく、その撹乱物質の究明と
 そのものの排除ではないのでしょうか。

稚オニヒトデは、サンゴではなく藻類のみを食べていることが報告されています。
、サンゴが産卵し、幼生(プラヌラ)が着床するには、その藻類が岩などに繁茂していると障害となります。
 また、「その稚ヒトデは岩などの光が当たらない所で藻類を食べていて、サンゴの生育には向かない場所だ」と
 調査研究しておられる方は反論しておられましたが、多くのプラヌラは最初にそのような場所に着床し(降り立ち)
 ています。

 ◎ 地層を見てみよう


・サンゴ礁は、主にサンゴの骨格の積み重なりによって成長していきます。
 下の写真は、石垣島の大浜, 崎原公園内にある”津波石”の部分写真です。
 大きな津波(約450年前)により陸に打ち上げられたものです。
 津波で転がされてこの場所まで流されたものだと考えられますが、水中であったであろうそのままの状態で
 現在もその姿を見ることができます。。
  このサンゴの岩は、礁から少し離れた場所の岩等に着生したサンゴがせめぎ合い著しい成長をみせ、
 将来小さな島になりえる地形を水中で造り上げている課程のもので、一般に”根”と呼ばれているもの。
 それが大きな津波で陸に打ち上げられたもので、純粋にサンゴ礁域でのサンゴ礁の発達課程が観察できる。
 このような地層は、沖縄など昨今のサンゴ礁域では普通に見られる地層です。

 写真@Aを見ると、テーブル状や被覆状、塊状サンゴが、何層にも積み重なって地形(サンゴ礁)を形成して
 いるのがわかります。
 大きな隙間が空いているところには砂礫が詰まっていたものと思われますが、たくさんの空間があることも
 わかります。
 
 根で成長するサンゴ礁は、礁池や礁原部等とはそこに生息する生物も限定され、島礁縁部に成長する
 サンゴ礁とは部分的に違いがあるようですが、サンゴとオニヒトデ等の生物間共生に違いはありません。
 その場所において、多くのサンゴが生息し続けた場合、このようにサンゴが堆積して成長することはできません。
 海洋の環境変化や海水面上下動など、サンゴ礁を成長させる為には、サンゴの上にサンゴがカバーしていく
 ということが必要だということが分かります。

 温暖化(海面上昇)などが進んだり、海水中に溶け込んだ二酸化炭素濃度の上昇、多くのサンゴ自身にダメージが
 与えられた場合など、様々な要因が考えられますが、サンゴはサンゴ礁を造るというその作業を早めなければ
 ならなくなります。もちろん、それは自然なもので、自然の仕組みとして組み込まれているものなのでしょう。
 サンゴだけではこの仕組みを早めたり、遅くしたりすることはできません。
 
  1998年に起きた長期的な海水温上昇でダメージを与えられ、多くのサンゴが白化現象を起こし、サンゴが
 死滅。その後、サンゴが危機を発する小規模な白化現象を繰りかえしていますが、’07年以降に行われた
 大規模、大量の農薬(ヤソジオン等)使用、畜産(牛および牧草地)の急激な増加、ミニバブルと呼ばれた
 乱開発などで、陸からの更なるダメージが加えられ、サンゴは危機的な状況におかれてしまっています。
  
写真@

被覆状サンゴ、塊状サンゴが何層にも積み重なる
写真A

卓上サンゴの上に卓上、塊状サンゴが積み重なる
写真B

小さな岩などに付着したサンゴが
,何層にも積み重なり成長する

◎本当のことを知ろうよ!


・オニヒトデが好んで食べるサンゴは、希少種や生育に年月のかかるサンゴを含みません。
 好んで食べるサンゴは著しく成長の早い非造礁性サンゴのシコロサンゴ、ミドリイシ類。

・オニヒトデは、けっして一定地域以外のサンゴを食べ尽くしません。
 また、世界の海洋全域にはいません。
 主に、大量発生が報告されている地域は、人間が住む島で、そこに河川が海に流れ出している流域との報告があります。
 
・サンゴを食べるオニヒトデにとっては、私たち人間よりもずっとサンゴが大事なのです。

・環境の悪化さえなければ、オニヒトデがサンゴを食い荒らしても、3〜5年経てば、必ず元の環境に戻ります。
(海域、条件により変わります) ('98年大規模白化現象以降の観察から導き出したものです)
 しかし、すでに人間による環境汚染の影響がない所はこの地球上には残っていないとのことですが。。

・サンゴ礁の発達には、オニヒトデは欠かすことの出来ない生物です。
 (近年知られつつあるさんごの病気やサンゴの世代更新や発育の限界に達したサンゴ礁を、ほぼ一掃し、次の世代に繋いでいます)

・魚やサンゴ礁に生きる生物の数や種類が激減してきているのはオニヒトデのせいではありません。
・実際にオニヒトデ駆除を続けている地域では、完全に駆除しきれないばかりか、いつまでもオニヒトデが数多く見掛けられています。
 もちろん駆除を続けても漁獲高は減り続けています。

・目に見えない海洋汚染もかなり進んでいます。目に見える現状だけではなく、そこに潜む問題も総合的に考えなければなりません。
 降雨により流出する赤土は沖縄のサンゴ礁地域では大昔からある土壌。サンゴはその土壌環境地域に大昔から生息しています。
 少しぐらい、短期の赤土流出はサンゴにとって問題ではありません。
 問題は、赤土とともに流れ出る農薬や有機質、毒を常に溶かしまき散らすことで貝や藻類の付着を防ごうとする船底塗料(直接
 サンゴ等のいる場所で毒がまき散らされている)など。
 目に見えない物質が長期的、決定的なダメージを与えています。

・これ以上、人間が経済優先・目先だけのことを考え、自然を破壊する行為は許されません。
 自然界にない物を作ったり、地球環境のバランスを崩している私たち人間は、もういい加減にしないと人間のみならず、地球に生きる
 ほとんどの生物をも死滅させてしまうことになるでしょう。

・オニヒトデにより、一時期に一部海域のサンゴ礁はダメージを受けますが、サンゴ礁の発達で考えると必要なことかもしれません。
 サンゴ礁(自然)のバランスが崩れ始めているところに、オニヒトデを駆除するということは、さらに環境破壊に拍車を掛けることとも
 考えられます。

・しばらく我慢して、別の近くにある素晴らしいサンゴ礁に出掛けて下さい。
 環境汚染の影響がない限り、数年後にその場所は、以前にも増して素晴らしいサンゴ礁が見られることとなるでしょう。
 先を見越した場合、必ず後悔しない結果となることでしょう。

・まだサンゴ礁のある海では環境に対する自己回復力が残されています。目先のことだけを考えずに、その力を信じて下さい。
 ('98年サンゴの白化現象時からのその地域の変遷を見てみれば確信できるでしょう)

・逆に、環境汚染が進み、サンゴが減っている地域に残るサンゴを守ろうとすることに、その意義があるかも知れません。
 ただし、そのような場所にオニヒトデが大量発生することは基本的にはありませんが。。。

・また、自然の一部ととらえ、サンゴとオニヒトデを観察するというエコロジカルな観光の方法も考えられます。


※どうしても、経済的な問題で、自分(たち)のサンゴ礁を守りたいのであれば、観光や漁業で必要とされる海域のサンゴ保護目的
 での部分的で徹底したオニヒトデ駆除または排除(陸でいう畑のように必要なところを管理する)が必要なのかも知れません。
 しかし、数年、または十数年おきに保護海域を変更することが望ましいことでしょう。



補足説明  (1998年の白化現象時以降2002年までの観察から) 
 サンゴ虫が分裂や出芽で増えていく無性生殖では、いつまでも健康(正常)な細胞でいることは不可能です。
 サンゴ虫の細胞はどれぐらいの間、正常(健全)な状態なのかわかりませんが、ミドリイシやシコロの仲間に
 おいては、それほど長くはないと推定されます(数年から長くても二十数年)。

 ただし、オニヒトデが嫌う塊状サンゴについては。サンゴが回復不可能なまで食べ尽くすとは考えられません。
 また、その類のサンゴは数百年から数千年という単位で成長し続けていますが、常に世代更新を繰り返して
 いる細胞状態なのかもしれません。
 
 白化現象とオニヒトデの大発生は重要な共通した部分があります。
 環境の悪化によるサンゴの白化現象で死滅するサンゴの多くはコモンサンゴとミドリイシ類などの成長が
 著しく早いサンゴです。同様にそれらはオニヒトデが好んで食べるサンゴでもあるのです。

 
 サンゴの白化時、塊状サンゴ等の成長が遅く、分裂・出芽のみで成長するサンゴは、99%以上の

 細胞(サンゴ虫)を一旦死滅させ、ごく一部の部分でサンゴ虫が生き延びます。
 そして、環境が回復した時点において、急速な分裂を繰り返し、死滅した部分にサンゴ骨格がカバーします。
 
 また、高海水温の影響より、紫外線、乾燥、低温の影響の方がサンゴ虫にダメージを強く与えている可能性
 が高いようです。


’05年、インドネシアで、サンゴと同じ仲間であるある種のイソギンチャクがオニヒトデを食べ尽くす映像を
 日本のTVクルーが撮影に成功。

 

八重山周辺海域の観察から  2003年冬
普段、サンゴ礁域に見掛けられるオニヒトデはパイロット(センサー)的な存在で、サンゴの環境変化を知るため
に存在している。サンゴに生育阻害や何らかの変化があった場合、オニヒトデは大発生を引き起こすものと思われる。

また、オニヒトデ異常発生がみられない普段通りのサンゴ礁環境において、2003年9月石垣島太平洋側礁池部で、
10数m離れて生息するオニヒトデとマンジュウヒトデを観察した結果、オニヒトデの周囲のサンゴには食害された
痕跡がまったく見られず、マンジュウヒトデは観察し続けていた昼間、常にサンゴ虫を捕食し続けていて、マンジュ
ウヒトデの移動経路上のすべてのサンゴが食害されていた。
2004年、2005年も同様の観察結果。この地域にいるヒトデだけの特異な現象であろうか。

2007年6月、異常なほど八重山のサンゴが産卵している。また観測している場所でオニヒトデの増加、サンゴの白化
現象が見掛けられるようになってきた。
(オニヒトデ増加が見掛けられるのは、太平洋側は礁池内、東シナ海側は礁外縁部)。東シナ海側では食痕跡の
 確認のみで個体発見していない)
1998年以来のサンゴ礁でのサンゴの更新が起きるのかも知れない。
また、2007年春先から数年おきに起きる野ネズミ大発生が起き、大量の農薬が下水、畑に撒かれ、更に除草剤も
大量に使用された。
これらによるサンゴ等海洋、海浜生物に与える影響は我々の想像を絶するものとなっていることでしょう。
結果は、2008年の夏に現れるものと考えています。
 

老化したサンゴ、傷や異常(遺伝子や染色体)を持つサンゴ、これらのサンゴやそのサンゴ礁環境を
元に戻し、サンゴ礁を発達させることが出来るのは、人間ではなくオニヒトデです。


また、環境を取り戻そうとするのなら、新しいものを加えていくのではなく、加えていったものを取り
除く
という作業が必要なのではないでしょうか。
 


オニヒトデについての資料
現状や、実際の調査状況をみることができます。
オニヒトデの異常発生及びサンゴ食害状況調査報告書
財団法人 沖縄観光コンベンションビューロー  平成11年度


人工化学物質が、造礁サンゴの生育に与える影響について
WWF-ジャパンが調査する船底塗料や農薬に含まれる人工化学物質の影響調査
http://www.wwf.or.jp/news/press/2005/p05112401.htm


イルカ&クジラ救援プロジェクト

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